ごあいさつ

NPO法人「キツツキネットワーク岩手」の ❝ 風 ❞ に賭ける

                    理事長 五十嵐  正

 

 「風(かぜ)」ではない「風(ふう)」と読んでほしいと思います。家に家風、会社には社風があるように、キツツキネットワーク岩手にも、今は見えない、感じないかもしれないけど、 ❝ 風 ❞ があるに違いないと思います。家風や社風は集団の風です。個人の風であれば、風采(ふうさい)とか風格ですまされるのですが、集団の風となると、その意味は深くなります。NPO法人として認証された「キツツキネットワーク岩手」は社会的に信用される ❝ 人格 ❞ を与えられたようなものであり、心したいものです。

 設立当初にみんなで考えた「老いても、病んでも、自分らしく心豊かに」が大きな風となり、「知・徳・体・食・美」の活動を通して、この風が具現化され、皆さんの健康寿命がさらに延びることを願っています。

 また、NPO法人キツツキネットワーク岩手は、これから後に続く若い人たちのためにも、「健康のための正しい食生活の在り方」や「命のつながりを考えるドキュメンタリー映画の上映」、「何でも話し合える居場所ーカフェ」などの諸活動にも取り組んで参りたいと思います。

 皆さんと共に、春夏秋冬のそれぞれの ❝ 風 ❞ が心地よい法人を創りたいものです。  


キツツキ健康 スマイル☆サイクル

 私たちの体の健康は食べたものでつくられ、命が維持されます。心の安らぎは環境(人・自然・モノ等)との出会いで保たれます。肌の輝きは栄養や皮膚から取り入れたモノで守られています。そして「病」は私たちの「知識が足りなかった」ために罹(かか)ることも多いのではないかと思われます。

 「老いても、病んでも、自分らしく心豊かに」生きるために、❝ もっと、知りたい ❞ という皆さんの思いを、NPO法人キツツキネットワーク岩手では、フォーラムやキツツキ・カフェ ❝ ゆずりは ❞ 等で仲間と共に語り合い、「知・徳・体・食・美」の好きなところから「知る」ことを始め、自分に合った「キツツキ健康 スマイル☆サイクル」を目指していきたいと思っています。


「キツツキネットワーク岩手」設立への思い

 「キツツキネットワーク岩手」として取り組んだ初めての事業は、平成25年7月17日に覆馬場プラザ交流ホール(盛岡市青山)で開催しました「地域医療を考える会」です。この取り組みからスタートし、平成27年12月にNPO法人として設立認証を受けるまでの2年6か月間、「キツツキネットワーク岩手」として様々な活動を行って参りました。会報は13号まで発行することができました。

 

「キツツキネットワーク岩手」設立への思い

                  会長 五十嵐  正

 

 超高齢社会が進んでいます。気になることは、平均寿命と健康寿命の隔たりです。医・食・住等の環境を整え、「老いても、病んでも、自分らしく心豊かに」過ごすためには、医療や福祉等の関係者との密接な連携が不可欠です。そんなネットワークをつくりたいという熱い思いを、今までいろいろなキャリアを重ね、経験豊かな男女6名のメンバーからお話を伺い、お誘いを受けました。私にとっては未知の分野でもあり、はじめは躊躇しましたが、考えてみるとやがて自分も通るみちであり、皆さんと一緒に勉強できるならと思い、メンバーの一人として仲間入りをしました。

 会の名前を「キツツキ(啄木鳥)」と聞いて、子どもの頃お腹が痛くてお医者さんに連れていかれた時のことが、とっさによみがえりました。

 眼鏡をかけた老医師(そう見えた)が温かい両手の中指と人さし指で、胸からお腹のあたりを、そして背中も何回となくトントンと叩いたのです。

 何を診察しているのだろう?知らないうちに、不思議とお腹の痛みは消えていました。

 キツツキはくちばしで樹木をコツコツと叩いて、何を感じ取ろうとしているのだろうか?また、その音のリズムでラブコールでもしているのだろうか?興味は尽きません。

 私たちには、鳥のように自由に飛べる羽も、堅いくちばしもありませんが、心と心をつなぐ手や笑顔そして言葉(コミュニケーション)は誰でも持っています。そんな「キツツキネットワーク岩手」を多くの皆様と共に育てたいと思います。

 

       [キツツキネットワーク岩手 会報1号 平成25年10月10日発行より]